菅 利美さん |
わさび園はかけがえのない財産生産活動が地域づくりに |
| かん・としみ/大正十五年、東法田生まれ。七人家族。平成六年、東法田わさび生産組合の設立に尽力し、現在初代組合長の要職にある。東法田一区長、最上広域森林組合監事、最上町環境保全員、最上町防犯協会大堀第一支部長など数多くの役職も務めている。 「東法田わさび園」への問い合わせは、 町社会福祉協議会 Tel 0233-43-3117 |
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東法田集落を経て、白川渓谷へ向かって車を走らせること約五分。百坪ほどの面積を有する水わさびの栽培ハウスが突然視界に入る。このハウスは、生産活動と生きがい活動を結びつける新しい試みとして、平成六年に町の社会福祉協議会が建設したもの。実質的な管理運営は、同地区の全戸が加人する『東法田わさび生産組合』があたっている。今月紹介の菅利美さんは、そこの組合長を務めている。「この活動に取り組んでから、”わさび”の「三文字が私の頭から離れなくなりました。何しろ生き物が相手ですからね。病気が発生しないか、雪でハウスの屋根がつぶれないか、とにかく心配の種は尽きないんです。でも、集落あげた取り組みなので、地域づくりには最高の活動です。わさび園は東法田にとって、もちろん私にとってかけがえのない宝物なんですよ。」と菅さん。 三年目を迎えた今年の七月中旬、記念すべきわさびの初収穫が組合役員の手によって行われた。菅さんが「言うように、この三年間はすべてが試行錯誤の連続で、収穫期を迎えるまでに相当な苦労があったようだ。なかでも、一年目の冬には豪雪のために、ハウスの屋根がつぶれるなどの被害に見舞われ、組合員が総出で修復作業にあたったとのこと。この被害を教訓に、冬期問は、当番制でハウスの管理を続けたと言う。それだけに収穫したわさびを手にしたときは、喜びと感動でいっぱいだったと語る。収穫したわさびは、全組合員に配られたほか、先月18日、ふれあいの里で行われた『山形県ゲートボール選手権人会』の会場で販売された。”まさか県内でこんなにりっぱなわさびが生産できるとは…。”と評判も上々で、この日用意された125袋(1袋100グラム)はあっと言う間に完売。「こうやってお客さんに直接販売するというのは面白いですね。次の収穫期は十月ころですから、町の物産市に出品しようと思っています。商品ラベルも作らなければならないしね…。」と語る菅さん。その日はとても輝いていた。 | |